2013年4月10日水曜日

【国内旅行】いにしえの都をたずねて『鹿の神さまに会いに』


201342()から5()にかけての34日で、福島から京都・奈良へと出かけてきた。
今回の旅の目的は、いにしえの都に咲く桜を訪ねることである。

今年の東北の冬は、長かった。
シーズンを通しての積雪量はそれほどでもなかったが、一度にまとまって降るので、だいぶ雪が多く降った印象だった。
また、就職活動に関連して、1月から3月までの3ヵ月間で、福島と東京を約10往復もしたこともあり、東京でいち早く桜を見ては、まだつぼみの福島に帰って来て、ため息をついていた。
せっかくだから、今年は思い切って遠くの桜を見に行こう!と思っていたところで、41日に就職活動も終わったことで、リフレッシュにと関西へと向かうことにした。

当初の計画では4月の中旬に出かける予定だったが、桜の満開も早まっているということで、だいぶ前倒しでの出発となった。
412日から仙台空港と関西空港の間で運行を開始するLCCを利用したいとも考えたが、そこまで待っていられないので、2日の明け方に福島と京都の高速バスを予約した。
高速バスは片道4800円と大変お得で、予算が十分に余ったので、ホテルは大阪の全日空ホテルを予約した。
直前の決定で、満足できるか不安でもあったが、とりあえず桜を見ることが目的なので、あまり高望みをせずに出発することにした。

出発の夜。
42()の福島は、あいにくの雨模様だった。
折りたたみ傘を差しながら金谷川駅まで歩き、2020分発の福島行き普通電車に乗る。
この電車は以前まで仙台行きの電車であったが、316日のダイヤ改正で福島に到着後5分の停車で、折り返し黒磯行きの運用に就くという忙しい運用になっていた。

金谷川を出発して10分で福島駅に到着。
駅前のなか卯で牛丼を食べて、駅のトイレで歯磨き。
セブンイレブンで夜食を購入して夜行バスに乗車。
雨の降る福島駅西口を2110分に発車した。
乗ったバスは桜交通という格安のツアーバスで、仙台と大阪を片道14時間、4800円で運行している。
途中、福島、郡山、京都に停車するが、東北と関西の間はどこで乗り降りしても料金は変わらない。
3列シートのJRバスとは異なり桜交通は4列シートであるが、車内では無線LANとコンセントが利用でき、さらにフットレスもついてかなり快適であった。
しかも行きは12席使うことができ、横になって眠ることができたので翌日とても楽だった。

福島駅を出発したバスは、まもなく福島西ICから東北自動車道に入り、31km走った本宮ICで降りる。
国道4号線をしばらく走り、郡山駅で数人の客を拾う。
2220分に郡山駅を出発し、今度は郡山ICから東北道に乗り、まもなく郡山JCTから磐越道へ入る。
郡山から峠道を140kmほど走り、日付が変わった頃に新潟中央JCTから北陸自動車道に入り、最初の休憩は午前1時過ぎに、長岡JCTで関越道が分かれたあとの米山SA20分間取られた。
前回の休憩場所であった郡山駅からは245km走っている。
この後はしばらく寝てしまい、知らぬ間に富山県、石川県と抜けて、次の休憩は4時頃に米山SAから250km走った福井県との県境にある尼御前SAで取られた。
二度寝をはじめて寝ている間にバスは米原JCTから名神高速道路に入り、730分頃に京都南ICを出て、定刻より10分ほど早い午前750分に京都駅八条口に到着した。

朝の京都駅。
通勤客に混ざってマクドナルドで朝食。
824分発の近鉄京都線、急行「天理」行きに乗る。
JR東日本のSuicaで自動改札機を「タッチ&ゴー」。
高校生や同志社大学の学生と一緒に電車に揺られ、大和西大寺で阪神電車から直通の快速急行「奈良」行きに乗り換える。
車窓から平城京の復元を眺め、916分に近鉄奈良駅に到着した。


(奈良氷室神社の桜)

駅を出て東へ歩く。

左手に奈良県庁があり、右手に奈良国立博物館がある。
県庁前も静かで落ち着いており、それでいてところどころ街のつくりなどで歴史を感じられ、良い所だなと思った。
かつて中学校の修学旅行で奈良市内を通過したが、実際に1人で歩くと、街の雰囲気を感じることが出来た。
そして何よりもインドの牛みたいに、野生の鹿があちらこちらで人に混ざっており、彼らを柵で囲まない奈良の寛容さを感じることが出来た。


(鹿に化けた春日大社の神さま)


(東大寺大仏殿と桜)


駅前から歩いて奈良公園に入り北へ向かい、東大寺大仏殿を見物。
外国人には優しい窓口のおばさんも、日本人観光客には素っ気ない。
正倉院の建物を見ようと奥へと進むが、あいにく改装工事中で外観すら見ることが出来なかった。
ただ正倉院の近くまで行って、「ここがシルクロードの終点か」と感傷に浸り、二千年前の地中海から中国にかけての長い道のりをイメージした。



(春日大社の参道)


(春日大社とさくら)

東大寺をあとにして次に向かったのは、春日大社である。
こちらは森の中で荘厳に建っており、境内の小さな神社でも結納が執り行われていた。
このように世界文化遺産でありながら、今日でも広く国民の生活の一部として息づいているところに感動した。

春日大社をあとにした私は、近鉄奈良駅へと戻り昼過ぎの電車で、今度は吉野へと向かうことにした。

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