2013年12月19日木曜日

新幹線の中で考えること

東京駅を1740分に発車した仙台行きの新幹線に乗っている。
すっかり夜となり、車窓には都心のビル群が輝いて映る。
iPodで音楽を聴きながら福島までの旅路をくつろぐ。
今日は8号車の19E席で、デッキと車内を仕切るドアが目の前にある。
いつもであれば私はJRのネットで格安きっぷを予約して、真ん中あたりから車内の後方を選ぶのだが、今回はみどりの窓口できっぷを購入した。
行き先は、京都だった。

京都には会社の支社があり、昨日は関西地区で採用された学生と関東地区で採用された学生が一堂に会した。
会社では社長のあいさつと昼食会、簡単な研修があり、夜は近くの居酒屋で親睦会が行われた。
メインは、おそらく勤務地の発表だったと思う。
一般的な企業では入社後の研修を経て勤務地が決まるが、私の内定した会社はまだまだ新興企業で採用人数も少ないので、入社式前の昨日に発表されたのだ。
私は、東京本社の勤務に決まった。
自分のまだ知らない土地へ行きたいという気持ちもあったので、少し残念ではあるが、しなくて良い苦労ははぶかれるべきかもしれないと思った。
これで、とりあえずは一段落したことになる。

幼いころから東北地方に住みたいと願い、その夢を大学進学にあたるところで実現した。
東北はあこがれの地で、この4年間は桃源郷にいるかのごとく毎日毎日幸せだった。
でもその一方で、クリエイティブさに欠けていて、少し物足りない感じはあった。
変革を好まず、保守的な考えを持った人の多い世界なのだ。
賃金の面でも疑問はあった。
そして縁あって比較的すぐに東京の会社に決まった。
文句なしの結果だと思っているし、今は十分に満足している。
方向性も定まったことで、今後の見通しも立ってきた。
それなのに、なぜか悶々としている。
それは恋愛も含まれているし、自分自身の持っている大志に関することでもある。

最後の1カ月はまったく顔も合わしてくれなかった彼女にふられたのが10月。
ショックは大きくて、それからしばらくはふらふらしていたが、勉強にも集中できた。
11月上旬にたまたま立ち寄った神社で引いたおみくじに救われて立ち直り始めたけど、中旬に価値観の変わる出会いがあった。
これまでは疑問に思ったことをとことん突き詰めようとしていたけれど、それは他人に聞いていいものと、本から学習しなければならないことがあるのだと教わった。
今でもまだそれを消化しきれていなくて、ときどき考え込んでしまうことがあるけれども、それが大人への第一歩なのかもしれないと思って、前向きに生きている。
不特定多数に向けて発信することは、ありとあらゆる自分では想像できない部分への影響をも想像して書き込まなければならない。
小学生の頃はテレビを見ながら、なんで大人たちはこんな簡単なこともできないのだろう、と思っていたけれども、いざ自分が成長して年齢なりの思考ができるようになってくると、いろいろな課題はなんて難しいことなのだろうと思ってしまう。
これらをひとつひとつ解決していたら時間は足りないし、その間に新しい課題も出現するし、一気に解決しようとしたらとんでもない影響がまったく予期していない個所で生じたりするし、社会は深く密につながっているということまで考えられるようになってきた。
結局、もとに戻ろうとする力が強く働いてしまう。
そういうものなのかもしれない。

街がざわざわした雰囲気の12月は、嫌いだ。
2月や6月のように、落ち着いていたい。
新幹線は、新白河駅を通過してみちのく路に入った。
あと20分で福島駅だ。

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