2013年5月18日土曜日

【国内旅行】春をもとめて『みちのくの小京都と白神山地へ』

さる5月9日(木)、日帰りで秋田・青森へ出かけてきた。
前日、私の大学入学時からの友人である上杉くん(仮名)の就職活動が終了した。
彼は大学1年の頃から地元紙も記者を志望しており、8日に最終選考があったのだ。
さすが上杉くんとあって、彼は第一志望企業1社のみを受け、落ちたら秋採用を受験すると話していた。
強気の彼であるが、内心ではかなり心配していたらしく、前々から最終選考の役員面接が終わったら、どこかへ出かけようと持ちかけられていた。
そこでふっと湧いて出た話のようであったが、「役員面接終わった!」という電話とともに、レンタカーを手配していて、その日の晩にちょうど満開の桜であった北東北をめぐる旅に出ようということになった。

5月8日は18時30分に福島市内のレンタカー店へ。
今回は日産レンタカーを利用。
大学生協で予約して行ったので、前日の18時から当日1日利用して翌日の9時までの返却でマーチが5,200円。
友達を2人誘って一時は4人で出かける話にもなったが、キャンセルされて結局2人だけでの出発となった。

5月9日0時に上杉くんのアパート前に集合。
セブンイレブンへ寄ったり所用を済ませ、0時45分に福島西ICから東北自動車道に入る。

1時40分。
仙台市北部の泉PAで1回目の休憩。
ここで上杉くんから私に運転を交代する。
運転手が2人態勢だと5分休憩で出発できるので効率が良い。

それまで比較的交通量の多かった東北道であるが、仙台を越えると一気に車が減る。
真夜中うしみつ時に、いよいよみちのくの路の奥へと進んでいく。
古川、築館、若柳金成とインターチェンジを過ぎてゆき、まもなく岩手県に入る。
3時前に北上JCTから秋田自動車道に入ると、2車線から対面通行に変わる。
隣で寝ていたのか起きていたのか知らないが、上杉くんが秋田道に入って「オレ運転したい!」と主張し始めたので、岩手県から秋田県に入ったところにある峠の真ん中にあるハイウエイオアシスに寄った。

3時25分。
錦織湖SAで2回目の休憩。
立派なサービスエリアだったが、夜の地方路線ということで自動販売機だけで、平日深夜の光景であるトラックの行列駐車もない。
ここでも5分ほどの交代休憩のみで、すぐに出発。

湯田、横手と通過して、3時58分に大曲ICを降りる。
福島西から2時間18分、ETCの深夜割引を使って料金は半額の3,050円。
だんだんと東の空が明るくなってきて、大曲から国道105号線を進む。

4時40分。
最初の目的地である秋田県仙北市の角館に到着。
天気は曇り。
まだ5時前にも関わらず、カメラを持ったおじさん達で旧市街は賑わっていた。
早朝でこの様子なので、おそらく昼間はまともな写真なんか撮れないような人の出なのだろうと思った。
そして桜が満開の季節ということで、早朝の気温は5℃。
大型連休が明けたにも関わらず、北東北ではこれからようやく春がなのだなぁと感じた。

(みちのく小京都『角館』の枝垂れ桜)

(桧木内川堤と朝靄)

(平成の世を映して)

角館は、秋田新幹線「こまち」号の停車駅にもなっており、東京駅から約3時間で来れる。
また、秋田内陸縦貫鉄道の始発駅ともなっており、ここからマタギで有名な阿仁を通って秋田県北部の鷹巣へと抜けられる。
ちなみに私は2010年の12月に初めて角館を訪ねたが、雪をかぶる角館もまた、美しかった。

さて、5時40分に旧市街の外れにあるファミリーマートで朝食を買って、次は世界自然遺産「白神山地」をめざして出発。

6時15分。
協和ICから秋田自動車道を北へ。
秋田市街の郊外を走って、6時55分に八郎潟の向かいに位置する八郎湖SAで3回目の休憩。
運転手交代で最後の秋田道の区間を走って能代南ICで降りる。

7時25分。
国道7号線を走って能代市街にあるガソリンスタンドで1回目の給油。
20L3,000円を入れて、いざ神の宿る森「白神」へ。

日本海と白神山地のすれすれの断崖絶壁を、JR五能線に沿って国道101号線を進む。
八峰町を過ぎると、秋田県から青森県の深浦町へと入る。

(国道101号線)


8時25分。
能代から国道を走ること1時間。
本日2つ目の目的地である「十二湖」付近に到着した。


(神秘の沼『青池』)

十二湖では、まず「日本キャニオン」と呼ばれるところへ行ったが、ここは大したことなかった。
岸壁自体は立派なのものだが、「グランドキャニオン」をイメージしてしまい無駄に期待してしまうところがよくないようだ。
もう少し実物に沿った名前はないかと思ってしまう。

次に立ち寄ったのが王池。
事前にインターネットで調べたことによると、ここが無料駐車場で青池の近くは有料と書いてあったのだ。
とりあえず無料駐車場に車を止めて付近を散策するが、落ちぶれた観光地の何物でもない。
ひとつふたつある民宿のような食事処のような建物が、特にそれを際立たせている。
おまけに厳しい冬場の環境ゆえか、屋根が真ん中で曲がっており、無残な姿と化していた。
そんな中に熊が1頭狭いところで飼われており、牢屋に入れられたようなかわいそうな姿であった。
そして観光客は1人もいないところがまた萎える。

このような王池は後にして、車で青池へと向かう。
結構距離があるようだったので、車で青池の近くの有料駐車場まで乗り付けるが、駐車料金は400円であった。
森の中を長い時間歩くことを考えたら、十分な値段だろうと思った。

有料駐車場から青池までは歩いて少し。

そして駐車場から青池まで歩いている途中でハプニングは起きた。
上杉くんの携帯電が突然鳴りだした。
出ると、昨日最終選考を受けた第一志望の企業からの電話であった。
上杉くんは道路の真ん中で正座して、受話器に耳を傾ける。
次の瞬間、ガッツポーズ。

数人のご老人が彼の側を不思議な目で見ながら通るものだから、私が代わりに「彼は今、本命企業から内定の電話を受けている所です」と解説した。

神の宿る森で、彼は神のお告げを聞いたのであった。


次回は、雑誌でよく取り上げられている黄金崎不老ふ死温泉から青森市内で昼食を取り、弘前公園の桜を眺めます。

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