2012年12月29日土曜日

【国内旅行】華麗なる列車の旅「津軽路をゆく」

(大館駅に停車中の秋田行き列車)

つづく奥羽本線とは横手ぶりの再会。
いったん改札を出て待合室で小休憩。
花輪線の運転士と車掌も待合室にやって来て、飲み物を買って出ていった。
彼らはこれからまた盛岡へ戻るようだった。
私は大館20分ほどの滞在で、1555分の普通弘前行きに乗る。1
0分ほど走ると青森県に入り、終点の弘前より2つ手前の大鰐温泉駅で途中下車。
ここで駅前にあると聞いていた新しい浴場施設「ワニcome」という温泉を目指したが、駅周辺を歩いても見つからない。
銀行の前に止まっていた軽自動車に乗った奥さんに聞くと、「そこの交差点を過ぎて左だよ」と教えてもらった。
どうやら駅を出て右に行けばすぐのところを、左に来てしまったらしい。
それにしても奥さんの訛り方が“THE津軽”という感じで、遠くまで来たな、と感じた。


(JR大鰐温泉駅)

教えてもらった通り、交差点を越えるとすぐにワニcomeはあった。
施設は大型できれいだった。
おみやげ店が手前の建物にあり、そこを抜けて奥に共同浴場はある。
1500円でタオルは別だが、とても満足な温泉だった。
大浴場は広くシャワーの数も十分。
露天風呂には雪も積もりきれいだった。
大浴場に浸かりながらおじいちゃん達の会話を盗み聞きしたが、何を話しているのか全く聞き取れなかった。
本場の津軽弁は訛っているとかというレベルの話ではなく、異国の言語ではないのだろうかと思うほどであった。
(共同浴場ワニcome)

身体も温まりおみやげ屋で友達にりんごの菓子とジュースを買う。
駅までは徒歩3分と近くギリギリまでワニcomeに滞在。
大鰐温泉駅1752分の青森行き電車に乗って、すっかり暗くなった夜道を弘前、川部、津軽新城と進んだ。
電車は3両編成で私は真ん中の車両に乗ったが、モーターが付いていない車両だったのかとてもよく揺れた。
さらに節電と称して蛍光灯が何本か外されており、車内は若干暗かった。
JR東日本はこの節電ブームに乗って、直接的には電力を使わないであろう気動車まで蛍光灯が外されていた。
一方で翌日乗ることになった東北新幹線の並行在来線である青い森鉄道の車両は、蛍光灯が外されていなかった。
不便なほど暗いわけではないが、外さなくても間に合うところまで電気を消すのであれば、ぜひ運賃も下げるか何らかの形で利用者にも還元してほしいな、と思った。

大鰐温泉を定刻で発車した列車は、途中駅で遅れている上り列車との交換待ちで、終点の青森には10分ほど遅れて到着した。
比較的空いていた車内であったが、弘前で席が埋まるくらいの乗客があり、1駅過ぎることに客が減って行く。
私の隣に座っていたお姉さんは、そのまた隣にいたおばあちゃんに何か声を掛けられていた。
ことの発端はお姉さんが手持ちのペットボトルの水を飲んだところから始まる。
水を飲み終わってボトルをバッグにしまおうとすると突然おばあちゃんが話しかけて「私にも飲まして」というようなことを津軽弁で話したようだ。
それに驚いたお姉さんは
「いや、口をつけているんで無理です。」
と断ったが、ぶつぶつおばあちゃんがお姉さんに話し掛けて、うっとおしそうにしていた。
おそらくたまたまであろうがお姉さんは次の駅で降りたが、今度はおばあちゃんが私の隣に来てしまった。
私はおばあちゃんの言っていることがまったく聞き取れない。
「話しかけられませんように」
と祈っていたが、窓越しについに目が合ってしまった。
会釈から始まり、何か言われているが、本当に分からない。
ただ愛想笑いをして、時々相槌を入れる。
特に自分の話に向けられることはなかったので助かったが、おばあちゃんも寂しいのかな、って思った。
まもなくおばあちゃんは降りたのでほっと一息。
津軽弁が聞き取れないのは、きっと中国人が
「国内旅行で別の地方の人の言葉が分からない」
と言っていたものと同じなのだろうな、と思った。
日本もまだまだ広いな、と思った。
それでいてワニcomeの休憩所で流れていたテレビは東京発のニュース。
関東地方の天気予報など映っていたが、青森ではまったく関係ないので何か違和感だった。
(青森駅に停車中の特急と普通列車)

青森に定刻では1855分に到着予定だったが、諸々でおおよそ19時に着いた。
ホームに降りると隣から函館1707分発の特急スーパー白鳥42号新青森行きが雪を巻き上げて発車した。
青森駅の改札口を出ると、さぁやってきました青森。
駅の近くにあるホテルニュームラコシに宿泊。
112000円のホテルだが、フロントの対応や室内の作りなどは値段相応であった。
2000円なので満足だが、3000円は取れないような内装である。
映画で見るような昭和末期、バブル前の時代を色濃く残したホテルだった。
東横インにはない良さがあったと言ってもいいだろう。
(今年は雪の少ない青森駅)

部屋に荷物を置き、夕食を食べに街へ出た。
フロントの人に教えてもらった「おさない」というレストランへ向かったが、なんと月曜定休だった。
「振替休日も関係ないんかい!」
と突っ込んでも、やってないものは仕方ない。
他に食べるところがないかとタクシーの運転手に聞いてみる。
すると「おさないがいいよぉ~」と。
月曜定休のむねを伝えると、
他はラーメン屋とかしか分からないなぁ」
と言われた。
少し歩いてみてクリーニング屋の奥さんに聞いてみる。
「この通りをまっすぐ行ったところに“おさない”というレストランがあるよ」
と。
また定休日の話をすると、
「ホテルの人に聞いてみたらいいんじゃない?」
ということで近くにあった青森の帝国ホテルのようなところでフロントのジェントルマンに尋ねる。
すると
「おさないさんは今日定休日だから…」
と言いながら地図を出してきてくれて、飲食店の多い通りを教えてもらった。
言われた通りに行ってみるが微妙だったので、駅の近くまで戻り吉野家で牛丼より少し高い焼肉丼を注文して懐の心配をすることなくがっつり頂いた。
クリスマスイブということで、食後は駅前のファミリーマートでスペシャルチキンを購入。
ホテルの部屋に戻ってから友達と2人でプチ・イブパーティーin青森を催した。

(青森駅前の吉野家で焼肉丼を注文)

2 件のコメント:

  1. ワニcomeはいい温泉ですよね。自分も青森にぶらり旅した時に立ち寄って以来、何度か足をはこんでいます。特に露天風呂がいいです。

    返信削除
    返信
    1. 1048さん

      ワニcomeは清潔感があり駅も近く、地元の人も利用していてとてもいい温泉だと思いました。
      露天風呂も広くて、雪も積もっていて「遠くに来たな」という感じで良かったです。

      削除